クロモジの木を見たことがありますか?
日本の森に古くからある木で、枝が黒かったり、深緑色の枝に黒い斑点があるのが特徴です。
桜の咲く頃にクリーム色の小さな花を咲かせます。
花の時期はほんの一瞬。この花をお茶にすると、何とも言えない爽やかな香りが楽しめます。
クロモジと言えば和菓子に添えられる楊枝を思い浮かべる方も多いと思います。
一説には、千利休がせっかちな秀吉にリラックスしてもらうためにお菓子に添えたとか。
一流茶人による香りのおもてなしだったのです。
地元のお年寄りに教えていただいた、クロモジの香りを楽しむ風習があります。
年末についたお餅を小さく丸めて枝につけ、お正月が終わったら炒ってあられにして食べるのです。
今では作る家庭は減ったそうですが、クロモジの香りを嗅ぐと子供の頃の楽しかった思い出が蘇るのだそう。
いつまでも心に残る素敵な香りの記憶です。